淡い想い出
2009.06.29
久しぶりに大阪に帰ってきました。昼から事務所で取材などがあるので少し早めに家を出た。
天気も良いし自転車で行くかぁ。ゆっくり風を受けて大通りを横切ろうとした瞬間。
『おい!林!』と後ろから声をかけられた。えっ?、大阪に来てから林って苗字であまり呼ばれてなかったからギクッとした。
振り返ると、頭の中のかすかな記憶で中学時代の部活の先輩だと分かった。あー、デビルマンだぁ。
そうそう、僕ら後輩の間だけで寝癖がいつも酷くて目がギョロっとしているからデビルマンというあだ名を付けていた。もちろん隠れて...
『あっ!デビっ...』と言いかけて口を閉じる。なんだっけなぁ...。本名が全く出てこない。鈴木?田中?いや違う。うーん、この際デビルさんって言ってみるか!いやいや、ダメに決まってる。『どーも、お久しぶりです』とあやふやに受け答えする。
デビルマンとは15年くらいあってないかなぁ。話を聞いているとFUJIロックに初めて出演した時にカットマンを知ってそれから応援してくれてたと言う。今も地元に住んでいて今日は朝から仕事で大阪に来たらしい。
話が進むにつれて、デビルマンの想い出を一つ思い出した。
僕は中学時代、野球部だった。先輩たちが試合に出ているのをベンチのもっと後ろのフェンスの端っこで立ちながら声を出していた。その試合は僕らの学校が始めから優勢に試合を進め、6回の時点で3対0。公式戦だったので僕らの応援にも気持ちが入る。
その時だ。守備をしていたデビルマンが平凡なフライを背面キャッチしようとした。イチロー選手がよくやるアレだ。デビルマンは割りとカッコをつけたがる先輩で、後輩にとっては面倒くさいキャラだった。僕らは、あ〜またデビルがカッコつけてるよと心の中で呟き、賞賛する顔を作り始めたのに『ドガッッ』鈍い音。なんとデビルの顔面にボールが落下していた。
賞賛する笑顔が用意できていたので 思わずみんな、プッと吹き出してしまった。ヤバイっ!みんな一斉に顔を後ろに向ける。逆に目立ったんだろう。20人くらいの後輩が一斉に後ろを向く姿。
その回は無事に0点で押さえたが、デビルがこっちに寄ってきて、『おまえら試合が終わるまで外周、早くっ、ダッシュじゃ〜』
今でもあの時のデビルマンの顔を思い出す。ボールの当たった腫れぼったい顔で言われても笑いをこらえるので精一杯。
あの時だけは外周を走れて良かった。こんなに面白いネタを僕らは大声で笑いあえたからだ。あの場所で試合が終わるまでコソコソ話すより、大爆笑しながら外周を走れる方が嬉しかった。
今日あったデビルマンはあの頃と違い、スーツ姿でキチッとキメていたが、この想い出が頭から離れず、会話中ニタニタしてしまった。デビルさん、ごめんなさい。そして淡い想い出をアリガトウ。

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