心の筆
2008.04.08
pm11:38
寝るには早いなぁ。
お風呂に入った後だったが、体がムズムズして部屋を飛び出した。
アキレス腱を伸ばして、屈伸、伸ばして、屈伸、一回ジャンプ。
ジョギング前の儀式を終えてゆっくり走り出した。
タンッ、タンッ。
静かな街を足でノックしながら走る。
向こうからギコギコと近づいては暗闇へと消えてゆく自転車。
この時間になると通行人は数えるほどだ。
街灯が陸上のハードルのように均等に並べられ
一つ一つ超えていくごとに桜の木から花びらが舞う。
まるで陸上競技場に飛び交う歓声のように。
この季節はどんな暗い夜の街角にでも桜の歓声が飛び交い、
なぜか励まされている気分になる。
花見とは花を見る、酒を飲む、楽しむ以外に
『励まされる』があるんじゃないかな...。
『一年頑張ればこんなに綺麗なものが身に付きますよ。
こんなに頑張ったものをあなたたちの前で散らせますよ。
僕たちはただ一言綺麗だと言われるためにまた一年頑張れますよ。』
とでも言うように潔く散る。
こんな命がけの一言を花びらの一枚一枚に込めて落とす桜を見て、
自分も頑張ろうと思える。
後日近所に住む韻シストのMCサッコンくんに誘われ花見に行った。
半分くらい散ってしまっていた桜だったが
屈託のない綺麗さで尚も応援し続ける木に
『ありがとう。お疲れ様。また来年もよろしくお願いします』
と年賀状のように心の筆で綴ったのでした。


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