近くて遠いファン
2008.07.02
汗ばむYシャツ、額にも大粒の汗が浮き出る。
ハンカチで拭い、また坂道を上がり出す。
何十年間も同じ道を繰り返し繰り返し歩んできたのだろう。
坂道に対しても暑さに対しても苛立つことなく、
ただただ前に伸びていく道を歩き続ける。
雨の日も暑い日も寒い日も...。
『そうやって今までもやってきた。これからもそうだろう。』
と無言で語る後ろ姿。
通勤途中でたまに顔を合わせるおじさん。
別に知り合いじゃない。
ただ通勤時間が一緒なだけなのだが妙に親近感が湧く。
会ったこともない親戚のおじさんなんかよりもずっと...。
でも話しかける訳にもいかない。
だから、いつも無言で『頑張れ』って
おじさんの後ろ姿にエールを投げ掛ける。
これからまだまだ色んなことが、
お互い待ち受けてると思うけど、
ただの通勤途中で会う俺にでさえもアナタの頑張りは伝わってますよ。
決して口に出して言うことはないかもしれないけど、
『いつもお疲れさま。頑張ってください。応援してます』

虫歯きん
2008.06.30
んー歯がいたい。右下から3番目と4番目の間がいたい。
虫歯菌が掘ってるんだろうなぁ。
本社から指令を受けて工事現場の格好した虫歯菌が掘ってるんだろうなぁ。
もしくはアーティスティックな虫歯菌が
ベレー帽なんて被って彫ってるんだろうか。
歯医者は『あーん』てしてる時、
唾をいつ飲み込んだらいいか分からないから嫌い。
子供ができて唾をいつ飲み込んだらいいか聞かれたらどうしよう。
コウノトリが運んで行ってくれるとでも言おうかな。
たぶん子供にこの質問をされて悩んでいる親御さんが何人かいるはずだ。
なので、あのグワァーって唾を吸うマシーンの新開発を心より願います。
あー歯医者行こうかな。
大人になったし、いつ唾を飲み込んだらいいか分かるかもしれないし...。
そう、 ホルモンを飲み込むタイミングのように。

去年のある日
2008.06.19
毎日毎日同じ電車に乗って
毎日毎日同じ道路を通って
毎日毎日仕事に行ってると
『あの信号を点滅中に渡ってしまえば次の信号が青だから仕事場に10分前に着ける』とか『地下鉄の一番前の車両に乗れば乗り換えの時に早歩きでギリギリ電車に間に合う』とか自分の中の小さな手順みたいなのが出来てくる。むしろノルマみたいな小さな使命感が出来てくる。
毎日が同じことの繰り返し過ぎて自分の行き方と生き方を少しでも改善してみよう、無駄な所を省いてみようと毎日少しずつ自分にとってスムーズな行き方と生き方をあみだす。
ある日、点滅中の信号に間に合わなくて渡れなかった時があった。仕事に遅れてしまいそうだし、自分の中のスムーズな行き方で行けなくて少しイライラしていた。
ふと横を見ると小さな公園がある。こんなところに公園なんてあったかな...。いつもは信号を渡るために急いでいて素通りしているんだろう。
その公園はあまり背の高くない木に囲まれていて、座る場所が取り外されたブランコ一つ、産まれたての子ゾウの足跡くらいの砂場一つ、ゾウのカタチをした滑り台一つ、そして親子が一組いた。
ヨチヨチと歩きまわる子供の一歩後ろをヨチヨチと追う父。滑り台にたどり着き、なにやら困っている子供。
ズボンの丈が合っていないのか...ズボンに引っかかって滑り台の階段の一歩目が進めない。何度も何度もトライするが進めなくて滑り台を噛んでみたりする子供。
父はと言うと、もしもの時に備えるように落ちたり転けたりしてもスグに助けれる距離で、幸せそうに満面の笑みで興味津々に見つめている。教えることも手伝うこともせず、ただずっとニコニコ見つめていた。
そんな親子を見て、とてもとても幸せな気分になった。通勤の手順が完璧でスムーズに行けた時なんかより断然気持ちが晴れた。信号に引っかかって良かったとさえ思った。幸せを頭で考えすぎて、本当の幸せを見過ごしてないかな...。本当の幸せこそすぐ近くに落ちてたりするのかもなぁ...という出来事をきっかけに去年、作り出したのがpermanentsに収録されている『手の中のlife 』という曲の詩です。
早いものであの日から1年くらい経ちました。公園を通りすぎて急にあの日の出来事を思い出したので書きたくなって日記に書いてみました。
今週は石垣musicフェスです。頑張ります。

花火しよう
2008.06.12
先日、岩崎愛ちゃんのイベントに出ました。
何故か、あの夜から花火が見たくて見たくて。
愛ちゃんの歌詞の中に花火が出てきたからかな...。
滋賀県にいた頃は琵琶湖の畔で行われる琵琶湖大花火大会によく行った。
体育祭の後にあるため、その時に仲良くなった友達や
その時に付き合った恋人達が集ったり、
もちろん家族連れやヤンキーまで
滋賀県にとっては一大イベントで、
みんなアチコチから集まった。
最寄り駅前のコンビニに集合して
まず焼きそばやたこ焼きの屋台で立ち止まってワイワイ騒ぐ。
金魚鉢から抜け出して道をスイスイと泳ぐように
色鮮やかな浴衣姿の女性がカランコロンと通りすぎて、
心の中に『花火大会だぁ』と実感が湧いてくる。
偶然一緒の学校の挨拶を交わすくらいの知り合いに会っても、
制服以外で会うのは新鮮で、なんだか照れくさい。
いつもは学校のルールで個性を同じ色に整えられて
見ようにも見えてこないファッション性がむき出しになり、
表情や仕草までも個性で輝きを持ち出す。
だから見るのも見られるのも、なんだか照れくさい。
大勢の人が琵琶湖に向かってゾロゾロ歩くが正月のお宮参りと違って、
押したり割り込んだりする人が少ないから子供もゆっくり歩ける。
『ヒュー...、ドカンっ』
そんなことをしているうちにいつも花火は始まる。
最初から映画のクライマックスの感動が
繰り返し繰り返し押し寄せてくるように一つ一つの花火に心が揺れる。
真っ暗な空、一瞬しか命を持たない一回きりの輝き、
泣きたくなるくらいの美しさ。
それは声変わりをする前の少年合唱団のように
無垢で透き通った輝きのような...、
満開になった桜並木が一瞬で散ってしまうように
儚く最後の一枚の花びらを見ているような...。
入学式と卒業式の感動を一瞬で感じれる時間を花火は与えてくれる。
僕は花火を見ている人達の顔に花火の逆光が照らされている感じが好き。
その一人一人の瞳の中にもまた一つの花火が映し出されているのが好き。
あー花火したい。
そう思ってから雨の日が増えた。
この時期が過ぎたら花火をしよう。

ただいま
2008.06.04
大阪の朝は暑いね。
どこで会った太陽も同じはずなのに会う場所によって性格が違う気がする。
大阪で会う太陽はやっぱりコッテリしてる。
ほぼ1ヶ月くらいバタバタとツアーに回り、大阪の自分の部屋に帰ってきた。ドアを開けて足を踏み込んだ時の安堵感と違和感。たまに実家に帰った時に起こる違和感を自分の部屋で少し感じてしまった。
自分はこの部屋から出て行った頃の印象とあまり変わっていないが、その部屋にとっては僕無しの生活を1ヶ月間おくってきた...。とても近い存在で毎日毎日顔を合わして生活していたからこそ、お互いの空白の1ヶ月が違和感を生じさせる。少し離れただけでよそよそしくなる。
でもその違和感と同じくらい安堵感があるから自分の居場所はやっぱりここだと思える。
小学校時代の友達は今だに小学生の頃の印象だし、高校時代の友達もそうだ。
人はそれぞれ自分の時間軸で生きている。それが自分以外とズレたり、ギャップを感じたりした時、少し寂しくなる。久しぶりに実家に帰った時愛犬にしばらく警戒されるような寂しさ...分かるかなぁ。仕事仕事で夜遅くなり日曜以外は子供と顔を合わせず、なかなかなついてもらえないような寂しさ。
自分は近づきたいのに相手との見えない壁やギャップを、僕は自分の部屋に感じてしまった瞬間でした。
『ただいま』

元気の源
2008.05.27
ザーっ、都会と違ってゴミの障害物がないから全速力で走れる川の流れ。
しわくちゃに微笑んだおばあちゃんの笑顔のようにやさしく包み込んでくれる大沢温泉。
そうです。只今カットマンはブリッジ・スタイルと岩手県で入浴中。
木造の廊下に何人もの足跡が重なり、百年ばかりの溜まりに溜まった傷跡が歴史を感じさせる。
男ばかりで大部屋に雑魚寝なんて何年振りだろ...。何年も一緒にいてすべて知っている仲間じゃなくて、今回初めてブリッジ・スタイルと温泉旅館に泊まりにきた。まるで高校一年生の時の宿泊体験学習みたいに新鮮で... 酒を買い込みドンチャン騒ぎだ。 高校の時は、何年何組の誰々が好きだとか...、中学の時はワルかったとか...バカな話を話した。
今晩はどんな話で盛り上がるんだろなぁ。
ザーっ、まだ川が流れてる。
どうしてパチンコ屋や隣近所の騒音は気になるのに大きな音で流れる川の音は気にならないのか...
逆に安らぐなぁ。
川が元気な土地は、川の音がポジティブな言葉を大声で発しているようでこっちまで元気になる。 都会の川は『もうダメだ、どうせ俺なんか...』なんて静かにネガティブな言葉をブツブツつぶやくようで聞いてられない。
田舎に来ると元気になるのはこれが理由だな。なんたって元気でポジティブだもんね

仙人の町
2008.05.21
山道を右へ左へ。車の後ろに積んだ荷物が山と会話するようにゴトゴト揺れる。
一つも街灯のない山道。静かすぎる夜の山梨。都会に住み着いたネオンとは対照的に真っ暗な町を霧が自由に散歩する。看板に『仙人の家、曲がってすぐ』って書いてあったら信じてしまうよ。今まで行ったことのある土地とどこか違った...、神秘性みたいなものを感じる。人間よりも遥かに生命力を持ったものがこの街にはいる...。森や川、山、湖、そこに住む生き物全部が人間よりもイキイキと自由に生活してる。人間が小さく見える。仙人っ、いるんじゃないの!『仙人や〜い。』 応答無し。
霧の散歩が終わったのか。視界がすっきりし出した。山中湖まで来るとポツポツと降っていた雨が止み、ポツポツと人が増え始めた。
山中湖のスタジオで合宿したり、レコーディングしたとよく聞くがこの辺りでしているのかな。
余計な音が一切無くて、ただただ必要な音だけが生息している。ここは国定音保護区に指定すべきだ。そして何十年先もミュージシャンにとって神秘的な場所であってほしいな。
山梨Natural High の会場はそんな山や湖の近くにあり、約束された日にちだけ自然から貸してもらったような自然に包まれた場所にあった。
もちろん、ライブは空と山を音が無邪気に駆け回り放題で、楽しくて楽しくて気持ちよくて。野外はやっぱ最高やと思いました。
一つ不思議に思ったのはライブ会場に降っていた綿みたいなものは何なんだということ...。
あれは山がライブを見て歓声をあげ、紙吹雪の代わりに綿を飛ばしていたのか。
それとも仙人がタンポポの綿毛に乗って、旅でもしていたのか。うーん、山梨は神秘がいっぱいだ。
山梨... 今度はゆっくり訪れて仙人探しと音作りをしたいものだ

雨の模様
2008.05.12
速度計の針が100km前後を行ったり来たり。
ワイパーも右左に行ったり来たり。
高速道路の車と雨だけが一方通行に進む。
鳥目なので少し暗い感じが見えにくい。雨だぁ...。
ドライブ気分にもなれず、音楽もつけず、
なんとなくワイパーのウィーンウィーンのテンポを上げてみた。
窓から見える田園の水面にはジンマシンのようなポツポツができて、
なぜか車内にいる僕の背中がかゆくなる。
雨が降って湿度が高い日、なぜか体がかゆくなる時がある。
あれは地球が雨アレルギーをおこしてるのかぁ。
そういえばフロントガラスもポツポツとジンマシンできてるし...。
ハァ、雨止まないかな...。
今日は名古屋アポロシアターで初ワンマンライブでした。
リハーサルが終わり、30分後にはライブ。
ワンマンは展開が早いから好き。
リハで本番のイメージを浮かべてそのまま本番にいかせれるから好き。
イベントだったら昼からリハして10時間あいて本番。
リハと本番がなかなかリンクしない。
ツアーのために作ったSEを流してステージに出る。
前まではcompassを流してたけど今回のために新作を作ったのだ。
ライブは最初から最後まで楽しくていつもより余計にMCしてしまった。
今日は楽しいのが伝わったんだろうな。
ダブルアンコールをもらっちゃいました。
テンションが上がりまくってまだ完成前でどこでもやったことない曲をやりました。
いやぁ、本当に楽しかった。名古屋ありがとう。

ゴジラvsキングギドラ
2008.05.10
ツアー三ヶ所回って大阪に帰ってきました。
店いっぱいに顔の違うソファが並べられた姫路でのライブ。オシャレなスペースにみんなゆったりと腰を下ろして少し暗めのライトの中お酒を飲んでいるのに、ライブが始まると歓声や拍手が予想以上に大きくてビックリ...。まるでNYのbarにでも来たような...。お客さんと一つになれました。音楽は演奏するだけじゃない、聴くだけでもない。音を楽しむことなんだ。店にいた全員が一つになれた...そんな気がしました。
2日目福岡アーリービリーバー。 バグダット カフェ ザ トレンチ タウン、犬式、Ricky Gくん...と ノリノリのメンツが揃ったイベント。このメンツが揃うイベントは他ではないねぇ。それと...なんと言ってもスタートから朝の5時までテンションが落ちない...。恐るべし福岡。福岡の夜が騒がしすぎて太陽も寝れず、この日は太陽の目にもクマがついてたんじゃないかな。
3日目は佐賀の鳥栖でのライブ。 ライブ前に会場の下にある『コテツ』で夕飯を食べた。 豚足の唐揚げや新鮮な造りが美味しくて美味しくてホッペが鉄板に落ちた。ジュー。
鳥栖の人はまっすぐな人ばかりで話をしていても、ライブをしていても、まっすぐに目を向けてくれる。ウリョンが声を張りすぎて掠れてしまったガラガラの言葉を聴き逃すまいと、一生懸命目と耳をこちらに向けてくれる。僕らもまっすぐに、まっすぐに伝える。ちゃんと伝わったかな?
さすがに3ヶ所回って帰ってきた朝は体が脱け殻のように力が入らなかった。なので、点滴を打ってもらいました。初点滴でした。今回のツアーはハードなので回るヶ所数と点滴ヶ所数どちらが多いやら...。ゴジラvsキングギドラよりエンディングが予測できない。乞うご期待。

ジョギング中の頭ん中
2008.05.09
5月4日から姫路→福岡→佐賀→名古屋ワンマンとライブが続くので出発前の夜、
ジョギングに出かけた。ジョギングなんてものは前日だけでは体力調整にならない。
でも気持ち調整にはなる。
夏場、夜の街灯に集まる虫のように落ち着きがなく、
部屋でソワソワしてるくらいなら頭真っ白になるくらい走った方がいい。
半袖半ズボンにnew balanceのスニーカー。
あっそうそう、レンタルビデオ屋を通り過ぎるくらいで
先日大阪鰻谷サンスイで見たマッカーサーア コンチのライブを思い出した。
6年くらい前からずっと見てきているが、見るたびにライブとは...、伝えるとは何かを感じさせてくれる。『音楽を伝えるのに相手の心をノックして、失礼しますなんてかしこまった挨拶をする必要なんて全くない。だって、僕たちにステージはないから。僕たちは音が広がり聴こえる空間の中にいる人たち全員と音を楽しんでるんだ。ステージとかフロアとかそんな隔たりはいらないよ。』って小学生の時、連絡もなしに玄関でピンポーンと行き当たりばったりで遊びに行くような純粋な気持ちでライブしているマッカーサーを見ていつも感じる。
大人になっていろいろと文化や風習やモラルを気にし出して、礼に始まり礼に終わるじゃないけど、一つ一つ気にしすぎるようになった。ライブとは...、伝えるとは...。
自分たちがツアーに出る前に何か大切なものをもらえた気がした。
ありがとう。マッカーサー ア コンチ。そして今回で卒業を迎えたトロンボーンのベルボーイくん、お疲れさま。

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