夏の後ろ姿

2009.08.26

今年の夏は実家の朝顔が不調で育ちが悪かった。
いつもは窓の外をツルがスルスルと天高く伸びて部屋に入る強い日差しを遮ってくれるのに。
ホースで撒いた水でできた水溜まりに元気のない朝顔が映る。
まだまだ暑い日が続くなぁなんて思っていたのも束の間、昨日の横浜のウリョンソロを終えて大阪に帰ってくると、どことなく涼しく感じる。勢いよくやって来た夏もあっという間に通り過ぎ、今、後ろ姿を見送ってる。
また来年まで会えないね。
寂しいような...嬉しいような...。
セミの鳴き声が少なくなったと思ったら、外では選挙活動の声。
騒がしい毎日が季節の変わり目を意識させない。気づかないだけで色んなことが少しずつ変わっていくんだね。
別れと同時に出会いが訪れる。秋はもう来てるのかな。
それも気づかないんだろうなぁ。

お盆

2009.08.18

昔はお盆にお墓を参って何をするのかピンと来なかった。ご先祖さまに手を合わして目を閉じて...ただそれだけだった。
おじいちゃんたちが入ってからは目を閉じた後に話しかけるんだ。久しぶり、今こんなことしてるよ。この前こんなところに行ってきたよ。
黙っている墓石。でもおじいちゃんたちに届いているようで、なんだか優しい気持ちになる。
線香の香りが夏の空に舞い上がる。暑い日差しをかき分けて涼しい風が僕の頬をなでる。
じゃ、また来るね。

HANABI

2009.08.09

今日は雨。家の前に植えられた木が豪快に揺れる。雨風が右に左に吹くもんだから、それに合わせて豪快に揺れる。ずっと見ていると、こどもの頭を大きな手の大人が豪快に撫でたときの髪の毛のようにも見えてくる。
昨日の夜は近くで花火大会があったみたいだ。夜、家にいるとドンッドンッと部屋がミシミシと揺れるくらいの大きな音。初めの2、3発までは上の部屋のひとがケンカでもしているのかと思ったが、何回も続く大きな音で外からであることが分かった。ベランダに出てみたが、こっちの方角に打ちあがってない。渋々、部屋に戻り大きな大きな音と響きだけを聞いて花火の輝きをマブタの奥に浮かべていた。いくつになっても花火というのはいいものだ。子供のためのオモチャでもないし、もちろん大人のためだけのものでもない。子供から大人まで心の中のよく似た部分をくすぐられて感動する。
今日の雨は昨日の花火に感動した空の涙か...。何事も直接心臓に触れて伝えてくるものをこれからも大切にしたい。

追いかけっこ

2009.08.04

寝苦しい夏の夜。クーラーをつけるのがあまり好きではないので、窓を開けて布団に入ったがやはり暑い。一時間ほど前まではどこからかテレビの音がうっすら漏れてきていたのに今は聞こえない。何分かに一度、前の道路を車が帰りを急ぐように通り過ぎる。コツコツコツ...。誰かの足音が夜中の眠った街に響く。
眠れない夜は少しの音が気になってくる。あまりにも眠れないのでベランダに出てボンヤリと空を見上げていると、泣き虫のセミが一匹、夜泣きを始めた。この音が一番暑苦しい。
頭の中に暑い、暑いと羊の数を数えるように文字が浮かび上がり、頭がパンクしそうになる。また布団に入って一つ深呼吸。暑いって思っても何も変わらないんだから『まっ、夏だから暑いのが当たり前かぁ。』なんて自分の頭の中を冷やすように呟くと、サラサラした涼しい夜風がフワッと窓から入ってきた。
こんな涼しい風があるんだったら最初から出してくれよ...。
夏の夜と、追いかけっこでもして遊んでいるような...からかわれているような...そんな夜のひとときでした。

奇跡のハーモニー

2009.07.31

Rock In Japan Fes 09′のライヴも無事に終わり、次の日のライヴに備えて柏市に移動中の車内でボンヤリ今日の1日を振り返る。
野外フェスっていうのは奇跡の連続だと僕は思う。
ライブハウスなどでは起こり得ない自然の演出がとても作用してくるからだ。曇っていたのに陽が天からパーっと射し込み、その瞬間に曲が始まったりしたら胸を鷲掴みされたみたいにぐっとくる。日が暮れるときも、夕焼けをバックに壮大な曲やバラードがきたら涙が流れるくらい感動する。バンドが出すその一回きりの演奏と一回しか来ない1日1日の空模様や天候や風とのハーモニーが奇跡を生む。両方とも同じことが2度と起こらない奇跡。それが重なるんだからそりゃ凄いよね。
今日は色んなアーティストを見たけどそんな奇跡がゴロゴロ落ちていた。一つ一つ拾っては感動していた。
いい1日だったな。

大好物

2009.07.27

街中を自転車で走っていたら...、キャッキャッと子供たちが騒ぐ音が聞こえて体が自然とそちらの方に吸い寄せられる。
ポッポッとやわらかい灯かり。あぁ、提灯だ。綺麗に並ぶ提灯に子供たちが集まる。どこか蛍のようでもあり、気持ちが和む。小さな町の小さな祭だった。町内会が手作りで屋台を5つ出していた。焼きそば、フライドポテト、フランクフルト。金魚すくい、スーパーボールすくい。
浴衣を着こんだ女の子はいつもより大人っぽく見えるのか、同級生の男の子たちが回りを囲んで走りまわる。
いつもは夜遅い時間に外へ遊びに行けない子供たちがアチラコチラで走り、笑い、騒いでいた。
特別な1日というのは子供たちの大好物だ。
僕も大好きな屋台の焼きそばをほおばり、特別な1日が大好物になりました。

のぞみ120号

2009.07.18

のぞみ120号、11時17分発。
出発のアナウンスが流れ、座席を少し後ろに倒す。
昨日まで九州4県、広島とキャンペーンで回っていた。もちろん車移動。
今日は東京で仕事があるため新幹線で移動することになった。

お昼時の車内。弁当にかぶり付く若手のサラリーマンや英語で書かれた新聞に目を通すサラリーマン...とスーツ姿の男性客が多い。
窓の外は今にも泣き出しそうな曇り空が一面を埋め尽くす。
『京都〜、京都』とアナウンスが流れ、右手に五重の塔が顔を出す。
京都を出ると建物は減り、窓から緑一杯の田園風景が広がりだす。そう、この辺りが僕の故郷である。
窓の外を見ながら、先月くらいに父からあった嬉しい一報を思い出した。なんと15年ぶりに蛍が見れたらしい。その一報に対して僕は上手くリアクション取れなかったのか、父は電話越しに少し残念そうだった。本当は凄くビックリしたし、ドキドキしたけど、出た言葉は低い声で『へぇ〜』とか『ほんまに〜』と落ち着いた口調になってしまった。男同士の親子はなんとなく不器用なコミュニケーションになってしまうんだよなぁ。小さい頃...、蛍を見に行ってた頃なんて、父さん父さんとくっついて離れなかった...と母は言うけど、今はこの不器用なコミュニケーションが二人にくっついて離れない。まっ、蛍も帰ってきたことだし、これをキッカケに父さんにくっついてみようかな...なんて言いながら蛍を見ることより難しいかも。
僕の想い出を知ってか知らずか、故郷の近くを通り過ぎるとき、新幹線がほんの少しスピードを落とした...そんな気がしました。ありがとう、新幹線。気持ちだけありがたくもらっておくよ。
とりあえず東京へ。
先は長い一眠りするかぁ。

気がつけば

2009.07.09

太陽が西に沈み、夜で黒く塗りつぶされた近所の公園の横を通る。
春の終わりに葉っぱを切られた木にはいつの間にか新しい葉っぱが生い茂ってきた。
気がつけば、もう夏。
パチパチ、パンッッ。光と音。公園の中央でキャッキャッ騒ぐ声。鼻をくすぐる火薬の匂い。
花火だぁ。
一瞬の輝きと音が生み出すファンタジーは大人になってもワクワクする。ワクワクする気持ちが僕の中から引越して居なくなってしまったのだと思ってたら急に街角でばったり出会った感じ...。久しぶりに無邪気にワクワクした。
花火は運動会のようだ。準備と本番は凄く楽しいが、後片付けの寂しさが身に染みる。花火が終わると心にポッカリ穴が空いて楽しい気持ちがその穴から落ちてしまう。公園をどんなに探しても、見つかるのは寂しさと花火の残骸だけ。
物思いにふけっていると、ヒュ〜、パンッッ。打ち上げ花火が始まった。そろそろ終わりに近づいてきたかな。打ち上げ花火が終わったら最後は線香花火かな...なんて考えながら夜道をまた歩き出す。花火の終わりを見るのは寂しいからね。
あ〜気がつけばもう夏だね。

『渋谷駅前の交差点』

2009.07.05

渋谷駅前の交差点。以前に僕はここの場所に来ると目が回ると言ったことがあった。その言葉に反応してくれた色んな人に意見をもらった。『渋谷は人が多いだけじゃないよ。いい場所だよ。』
もう一度確かめたくてここにきた。
 
5分間、交差点前にいた。
ヤッパリ目が回る。
15分間、交差点前にいた。
目、耳、鼻の情報が多すぎて頭が追い付かなくてパンクしそうになる。
25分間、交差点前にいた。
時計の秒針が一歩、歩くのに対して僕の前を何人も何十人もの人が、めまぐるしく通り過ぎてゆく。
人が集まる場所に文化が生まれる。この渋谷の交差点は時代時代の文化が常に行き来してきた場所なんだろう。
そう思えた瞬間自分の中で何かが変わった。それは、まるで夜空の星のように 神秘的にも思った。自分が生まれる前からずっとそこにあった歴史。そして今もなお変わり続ける。それが夜空の星のように思えた。
人は文化を歴史として残す。
だから僕はこの交差点を歴史博物館であり、文化製造工場でもあると思うことにした。
歴史博物館であるから簡単に理解できないこともあるからゆっくり見つめて考えることにした。
文化製造工場であるから大量生産された文化を工場見学してる感じで楽しんで見つめることにもした。
またここに来るだろう。
そして今度もゆっくり見つめてみよう。
 
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無償の思いやり

2009.07.01

今日は京都にキャンペーンに行きました。梅雨のせいか雨の京都となりました。
明日から始まる祇園祭...。その期間中の雨の分まで降ったんちゃうって思うくらい今日の京都は雨がよく降っていました。
帰りの阪急電車は、割りと空いていて皆別々の席になったけど全員座れました。...とそこまではいい1日だった。
僕の座った席。座り心地が悪かったとかゴミがあったとか、そういうのじゃなくて隣のひとに問題があった。
ちょっとイカツイ感じのオールバック、黒のスーツに太めの白のストライプの男性客が足を大股に開けて座っていた。
座る前に『すいません』と声をかけたが横に寄ろうともしない。でも声をかけたし違う席に座るのも感じが悪いし...と言っても席は他に空いてないんだけれど。
席に座る。
狭いなぁー。最初は気を遣ってなるべく端に寄って隣のひとに足が触れ合わないように頑張ってた。はい。5分で無理でした。
足が当たってしまった。そりゃそうでしょ。隣のひとが大股開いてドカッと座ってるんだから。でも意外と足が当たっても気にしない人のようだ...。それなら...モゾモゾモゾモゾ。体を何回も向きなおして居場所がなかなかフィットしない感じで当たってる足を相手陣地の方に少し力を加えて押してみた。よっしゃ、うまい感じで陣地が確保できた...って何でここまで苦労せないかんねんっ。
 
電車や皆が利用する公共物。ちょっとした思いやり、自分以外の人への気遣いって大事やと思う。そんな無償の思いやりで人と人が繋がるとき、電車という乗り物の本当の良さが分かる気がする。
まずは自分の隣に座るひとからでいいから。
 
今日はそんな想いを胸に阪急梅田駅まで移動したのでした。
 
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